シンプルなたんす

韓国の民宿に泊った経験のある方でしたらご存知だと思いますが あちらの伝統的な民家の部屋には日本の民家のような『押入れ』がありません。それでものを仕舞うには「たんす」を使います。近代から現代のものは装飾がほどこされたものが多いですが 李朝前記から中期にかけて使われたたんすは単純なデザインのものが多いと見受けます。先日 友人のやっている青山の古美術商の店に寄ったとき店の片隅に積み重ねて置かれていた箪笥に眼をうばわれました。私好みのシンプルな意匠がとても気にいってその場で購入を決めました。30分ほど前にやはり私のようにこの箪笥を気にいって熱心に眺め点検していったお客さんがいたそうですが決めかねて 他の店を回ってくると出て行ったそうです。後日 電話で聞いた話では このお客さん私が出て行ったすぐあとに来店してこれを購入するつもりだったのですが タッチの差で売れてしまい地団駄踏んで悔しがったそうです。そんないきさつで我が家に来て 窓辺で花入れを飾る台として使われています。そっけないほどの単純な意匠が美しいと思います。

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